t4i’s blog

はい、チーズ。写真を撮るか。チーズを渡すか。ここが運命の分岐点。

石でできた皿の上

doumo

 

学校に行く時必ずほぼ毎朝きまって神社を通る。いつも通りお賽銭箱の前を通って鳥居をくぐろうと石畳の上を歩いた。ちょうど半分歩いたところに鳥の羽が落ちていた。それを立ち止まってよく見てみると羽というよりも片翼、言ってみれば腕の部分がまるまる食いちぎられて捨てられたものだった。きっと鳩か何かがカラスに食われたものだ。

登校中暫く、食われた鳥のその後を想像した。飛べなかったとしても上手く逃げ切ったんじゃないか、片翼失うだけならまだどうにかなるんじゃないか。根拠はないがきっと生きていると思った。千切られた翼はそこに落ちていたとしても肝心の胴はどこにも見当たらない。つまりそれはきっと上手く逃げ切ったということだろう。死んでしまった本体を見ていない以上根拠もなく死んだと決めつけることはできない。そんなことを考えて登校していた。

学校で凄まじくイライラした。普段通りのことではあるが、友達同士の関わりは相変わらず楽しいものだったのだがそれ以外の面で凄まじくイライラした。詳しく話すと長くなるし話せる内容でもないのでとにかく凄まじくイライラする出来事があったということだけ理解してほしい。怒り疲れて帰り際放心状態に陥る程だった。

いつもは金銭面の問題で自炊を心がけて生活しているのだが、今日はなんだかそんな元気がなかったため学校帰りに夕飯を買いにセブンイレブンに寄った。カップ焼そばふたつと納豆巻きを手に取ってレジに並んだ。時間帯の問題なのか都内だからなのかは不明だがレジの列がやたらと混んでいた。2分くらいレジにぼけっと並んでつったっていたらホットスナックのコーナーが目に止まった。焼きそばと納豆巻きだけじゃ夕飯足りないかもしれない。そう思ってレジでななチキも注文した。温かいうちに食べたかったため帰り道の途中で歩きながらななチキを食べた。

朝通る神社にはもちろん帰りにも通る。鳥居をくぐる頃には9時半を回り辺りは真っ暗だった。学校の疲れが普段に増してあった今日はとにかく早く座り込みたくて玄関に急いだ。急ぎ足で石畳を歩く。すると右足の裏でパキという音がした。枝を踏んだような音だったが感触だけは違った。それを踏んだ時スライムが張り付いたように足の裏がスリップした。察した。帰りに買って食べて帰ったものがせめてもっと他のものだったら気分はここまで悪いものにはなっていなかったのかもしれない。

そうだ、死んだ根拠が何処にも無いのと同じくらいに、生きてる根拠なんて何処にもない。考えるのはこれでおしまいにする。

 

 

おわり